浄化槽は、従来、住民の希望により、個人の負担によって設置されてきたところである。しかし、平成6年度に、旧厚生省(現環境省)が市町村が主体になって設置する浄化槽設置事業に対して国庫補助制度を創設し、旧自治省(現総務省)も市町村が自ら公営企業として浄化槽を設置する地方単独事業に対して交付税措置を創設したことにより、浄化槽の整備事業は、市町村による公共事業として認知されることとなった。
このような国による積極的な推進措置にも拘わらず、市町村事業としての浄化槽整備は順調に進んでいるとは言い難い状況にある。これは、市町村の事務負担、市町村の浄化槽に対する理解の不足などによるものである。
全浄連は、市町村による浄化槽整備事業をPFI推進法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に管する法律:平成11年7月30日法律第117号)の枠組みを利用して行う場合の留意事項と、応募する民間事業者側の事業計画立案の基本的考え方及びその手法等を整理し、「浄化槽整備事業へのPFI手法導入ガイドライン」を作成した。
本ガイドラインの要点は、次のとおりである。
| (1) |
市町村及び民間から事業の発案をし合い、市町村が当該事業を採用して実施方針を定め、公表する。併せて市町村は、民間事業者を公募の方法で募集する。 |
| (2) |
民間事業者が応募し、採用されれば当該民間事業者が事業を行う。 |
| (3) |
浄化槽整備事業をPFI事業で行う場合は、BTO(Build
Transfer Operate)方式で行う。即ち、浄化槽の設置(B)、市町村への売却(T)、市町村からの委託管理(O)と云う形になる。 |
| (4) |
本事業への補助金は、国から市町村へなされるが、この際、民間事業者が設置(B)した浄化槽は、当該設置年度毎に市町村に買い取られる(T)。 |
| (5) |
市町村は、買い取った後の浄化槽の使用料を使用者(住民)から徴収し、市町村からの業務委託に基づいて維持管理(O)を行う民間事業者に必要経費を支払う。 |
| (6) |
PFI事業期間は10年である。この間、市町村と民間事業者間の当初の契約に基づき、「B、T、O」を行う。 |
| (7) |
本事業の期待される効果として、次のようなことが想定される。
| 1. |
民間事業者の創意工夫により、浄化槽整備がスピーディに実施され、住民に対するサービス向上となる。 |
| 2. |
一定地域における長期事業となり、民間事業者にとっては安定的業務の確保、市町村にとっては一括契約によるコスト縮減効果がある。 |
| 3. |
市町村にとっては民間業者の専門的知識・経験を活用でき、事務処理を合理化できる。また、民間業者にとっては自らの知識・経験を市町村に提供できる。 |
| 4. |
市町村にとっては従来の特定地域生活排水処理事業における浄化槽の設置・維持管理が個別発注であったのに対し、一括して行うことができる。 |
| 5. |
本事業により面的整備が可能となり適正な維持管理が確実に実施でき、水環境の保全が確保される。また、地元企業及び地域経済の活性化が期待できる。 |
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