全ての「みなし浄化槽」を、正しき浄化槽へと転換する

汚水処理計画の見直し

 わが国では、従来まで、汚水処理施設の本道として公共下水道へと大きく舵を取り、浄化槽はその補完、あるいは下水道が接続されるまでの文字通り繋ぎとして捉えられてきました。
 しかしながら、昭和時代に整備した大量かつ大規模なインフラの更新時期を、人口減少社会と共に迎えた今日では、国・地方いずれにおいても、従前の汚水処理計画に対する見直しが行われています。
 このページでは、過去にトップページのニュースとして取り扱った、地方自治体における汚水処理計画の見直しについて、まとめています。

2017/04/01

 徳島県内10市町村が公共下水道など汚水集合処理方式などを見直し ~徳島新聞の報道より

 徳島新聞(平成29(2017)年3月30日,第26243号)の報道によれば、徳島県内24市町村の内、10市町村が、公共汚水処理施設事業を見直す方針を示しています。
 主な理由として、建設費の高さや、人口減少による整備効率の低下など、厳しい財政事情に突き刺さる採算性の問題が挙げられています。
 集合処理に代わって、個別処理の汚水処理施設である浄化槽の整備促進が検討されており、中でも個人設置に任せるのではなく、自治体が設置・管理する「市町村設置型」に 焦点があてられています。
 徳島県内では、既に2005年度に三好市で「市町村設置型」浄化槽を導入し、2015年度からは市全域に拡大され、現在は那賀町や阿波市、東みよし市など他の市町村でもその導入が肯定的に検討されています。
 前年の福岡県田川市、今年に入ってからは青森県黒石市など、全国各地で起こっている公共汚水処理施設から個別の分散型汚水施設への見直しは、今後も加速していきそうです。

2017/03/02

 2017年2月23日の記事でご紹介いたしました東奥日報による「青森県黒石市の下水道事業廃止」の報道に関連して、東奥日報が続報を発表しております。
 記事によれば、黒石市以外にも既に多額の投資を行いながらも現在休止中の下水道事業を抱えた自治体があったとのことで、物議をかもしそうです。

2017/02/23

 青森県黒石市が下水道事業の廃止を正式決定いたしました

 「平成28年度浄化槽トップセミナーin青森」の3日後の平成29(2017)年2月18日、東奥日報が青森県黒石市の下水道事業廃止について報じました。2002年度から休止していた事業に明確に終止符が打たれた形となり、今後は浄化槽の普及がより一層促進される模様です。

2017/02/16

 福岡県田川市で「浄化槽ミニシンポジウム」が開催されました

 平成29(2017)年2月12日、福岡県田川市で「浄化槽ミニシンポジウム」が開催されました。来場者はおおよそ100名といった盛況ぶりでしたが、そのうち約20名が一般からの参加者であったということで、田川市における浄化槽や生活排水処理に対する関心の深さと意識の高さが伺えます。
 当日の会場では、吉野 邦治 全国浄化槽推進市町村協議会 事務局長による「水環境に対する浄化槽の役割について ~浄化槽 あなたの家の水源池」の講演が行われ、次いで田川市建設経済部下水道推進課が「浄化槽に係る市の取組みについて」説明されました。
 質疑応答の後には、微生物の観察やクイズなどのレクリエーションが行われ、また会場には浄化槽を紹介するパネルや浄化槽の模型が展示されるなど、普段は地面の下で頑張っている浄化槽をより身近に感じられるような趣向が凝らされておりました。

 人口減少社会を迎えた我が国では、生活排水処理インフラをいかに展開し、維持していくが大きな課題となっており、昨年に田川市が下した判断はまさに英断といえるものでした。
 当サイトでも、生活排水処理の問題に積極的に取り組む各地の自治体の奮闘を今後もご紹介していきたいと考えております。

2017/02/06

 水泥新聞より「浄化槽導入へ大きく舵を切る県多数!」

 フジクリーン工業株式会社が編集する「水泥新聞」2017(平成29)年2月5日号で、財政負担の大きな公共汚水処理施設整備から浄化槽整備へと方針を転換する自治体が増えているという報道が為されています。
 平成26年1月、国土交通省・環境省・農林水産省は三省合同で「都道府県構想マニュアル」を発表し、その後10年で汚水処理人口普及率100%の概成を目指しています。しかし、全国的な普及率は平成27年度末で89.9%、人口5万人未満の市町村に限れば77.5%と大きくその値が下がってしまいます。
 人口規模の小さな自治体は経済規模が小さい場合も多く、また日本国全体が人口減少社会と化した現状では、大規模な集合処理施設は採算に合いません。仮に建設を強引に推し進めたとしても、計画から実際に管が繋がり、使用開始できる状況になるまでは何年とかかってしまいます。
 こうした状況の中で、既に山形県の山形市、米沢市、新庄市、上山市などの12市町村が、生活排水処理施設整備計画を見直し、浄化槽の整備へと計画を変更しました。
 浄化槽は比較的設置コストも低く、また施行開始から実際に使用できるまでの期間も概ね1週間程度と迅速です。
 昨年は、福岡県田川市が浄化槽への転換を決定したことが記憶に新しいですが、「水泥新聞」では更に平成28年度までに32府県が汚水処理計画の見直しに着手すると国土交通省に回答した旨が記されており、今後もこうした傾向はますます強まってくることが予想されます。
 浄化槽は、公共下水道の浄水機能と同程度の性能を有する、れっきとした汚水処理インフラです。今後も、全浄連は浄化槽の更なる普及の為、情報提供を行って参ります。

2017/01/12

福岡県田川市における下水道計画撤回と市全域の浄化槽整備区域化

 去る平成28(2016)年10月28日、福岡県田川市が公共下水道整備計画を撤回し、市全域を浄化槽整備区域とする決定を下した件について、公益社団法人 徳島県環境技術センター一般財団法人 福岡県浄化槽協会がそれぞれの機関誌に掲載しております。
 (前者の記事は「環境情報 No.792」からの転載)

 情報提供の一環として、両団体から了解を得て、該当ページを当サイトに掲載いたします。

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