生活排水処理に係る施設整備は、各市町村で策定される「生活排水処理基本計画」に基づいて実施されますが、
その主な処理施設としては、浄化槽、下水道及び農業集落排水処理施設等があります。
各市町村ではこれらの処理施設の特徴、並びに人口密度や家屋間距離、地形あるいは建設と維持管理に係る経費等を考慮して、
住民への十分な説明とその意見を反映しながら、その地域に最も適合した効率的な施設が選択されることが重要です。
各処理施設の中でも浄化槽は、下水道と同等の処理性能を有する施設として評価され、
平成6年度より市町村が実施主体となってその面的整備を図る「浄化槽市町村整備推進事業」が国庫補助対象となり、恒久的な生活排水処理施設として整備・普及が図られています。
浄化槽の主な特長としては、
- 生活排水を排出源で処理して放流するため、身近な公共用水域で水質改善効果が見られ、
住民の水環境保全に対する意識が向上する。 - 管路施設が不要で、エ事期間が短期間(1週間~10日間程度)であるため、すぐに受益効果が現れる。
等が挙げられますが、この「浄化槽市町村整備推進事業」では、さらに……
- 下水道事業債の対象とされている等、住民の費用負担が大きく軽減される制度となっており、
個人設置型事業である「浄化槽設置整備事業」と比較すると、住民の費用負担は約1/6となる。 - 浄化槽の設置から保守点検、清掃及び法定検査の受検等に係る手続きを市町村が行うため、
住民の事務手続きの手間を省くことが出来るほか、維持管理主体が市町村であることから、
浄化槽の維持管理に対する信頼性が向上する。 - 市町村の財政事情に合わせて事業計画が立てやすく、また人口、世帯数の増減に柔軟に対応できる。
- 住民の希望によって(希望者は個々に申込ができる)施設を設置するので、加入率が100%になり、
且つ維持管理費は自己の施設の分だけで済む。 - 人数、又は延べ床面積によって浄化槽の規模が決まるので、一人当たりで換算した場合、
住民負担の公平性が確保される。 - 地元企業の活性化が図られる。
等、市町村のみならず住民や地元企業にも大きなメリットがあります。